赤ちゃん連れで鳥羽「胡蝶蘭」に泊まった正直な話

村の宝箱

赤ちゃんを連れて旅行なんて、できるのだろうか。
最初は、そう思っていました。

鳥羽の「胡蝶蘭」に、娘を連れて1泊してきました。実際どうだったかを、正直に書いてみます。

旅行に行くきっかけ

きっかけは、一度だけ、夫婦の時間をつくったことでした。

妻は産後ずっと気を張っていて、まともに眠れていないように見えました。それで思い切って、娘を数時間だけ預けて、二人で出かけることにしました。

近くの居酒屋でお酒を飲んで、そのあとカラオケにも行きました。

寝る前に話していると、妻が半泣きになっていました。ようやく取れたつかの間の休息が、うれしかったのだと思います。

その顔を見て、気分転換に出かけるというのは、思っていたよりずっと大事なことなんだと分かりました。

それから、定期的に旅行に行くことにしました。今回はその流れで泊まった宿です。

ウェルカムベビーのお宿とは

赤ちゃんを連れて出かけるとき、気にすることは3つに分かれると思っています。

  • 設備 ベビーベッド、オムツを替える場所、子ども用の椅子や食器
  • 動線 段差、エレベーターの位置、部屋から食事処までの距離
  • まわりの目 泣いたらどうしよう、騒いで迷惑をかけないか

いちばん気にするのは、3つ目です。設備は工夫でなんとかなりますが、まわりの目はどうにもなりません。

しかもこれは、宿がもつ雰囲気の話なので、行ってみないと分かりません。設備がよくても、客層が違えば場違いな気がして居づらい。そういうことは起こります。

そう思いながら出かける場所を調べているうちに、「ウェルカムベビーのお宿」という制度を知りました。ミキハウス子育て総研が、赤ちゃん連れを受け入れる体制の整った宿を認定しているものです。詳しくは公式サイトにまとまっています。

正直、それまで知りませんでした。

認定のある宿を選んだのは、そこを最初から気にしなくてよさそうだと思ったからです。

泊まった部屋
概要

そうして選んだのが、鳥羽の「胡蝶蘭」でした。泊まったのは「月(つき)」という部屋です。2024年にリニューアルされた和洋室で、和室と、セミダブルのベッドが2台入った洋室に分かれています。

値段のことも先に書いておきます。ウェルカムベビープランは、部屋によって2名1泊2食で6万円弱から7万円台。私たちが泊まった月は、その中でいちばん上でした。時期で変わるので、あくまで目安です。赤ちゃん向けの特典なしでよければ、3万円台からの部屋もあります。

ウェルカムベビープラン

予約したのは、月の「ウェルカムベビー」プランです。2歳以下の子ども向けの特典がついています。

  • 赤ちゃん用の布団、おむつ用のごみ箱
  • ベビーチェア、ベビーバス(数に限りあり)
  • 赤ちゃん用の麦茶
  • オムツ10枚と、携帯用のおしりふき
  • 添い寝の子どもの施設使用料が無料

ベビーバスは、深すぎて使いませんでした。首がすわる前だと、深いものは支えづらいです。オムツとおしりふきは、持っていく分を減らせるので助かります。

部屋の間取り

間取りはこんな感じです。

部屋の間取り図(月・和室と洋室の二間)

玄関から左に廊下が伸びていて、突き当たりがトイレと洗面台。手前が和室、奥がベッドルーム、いちばん奥が風呂場です。

この作りが、私たちには良かったです。

畳があるのは、思っていた以上に大きかったです。赤ちゃんをそのまま転がしておける場所があるというだけで、気持ちがずいぶん楽になります。荷物を広げても、踏んでしまう心配がありません。

寝る側はベッドでしたが、頼めば畳のほうに布団を敷いてもらうこともできます。私たちはベッドのままにしました。布団を敷いたり畳んだりする手間がないぶん、子どもから目を離す時間が減るからです。添い寝をしたい人は、布団にしてもらうのがいいと思います。

いちばん良かったのは、廊下の突き当たりにある洗面台でした。とにかく広い。哺乳瓶やパーツを広げて洗って、消毒するものを横に置いても、まだ余裕がありました。飲み水も部屋の中で用意できるので、夜中に廊下へ出る必要がありません。地味なところですが、赤ちゃん連れだとここが効きます。

ネムリラは車に積んで持って行きました。畳の上にそのまま置けたので、食事のときも、寝かせるときも、そこが定位置になりました。1泊2日でも荷物はそれなりの量になりますが、これは持って行って良かったです。

お風呂について

陶器の露天風呂がついた部屋もありましたが、選びませんでした。値段が上がりますし、入る余裕もないだろうと思ったからです。

私たちの部屋の風呂は、床から泡の出るバブルバスでした。窓を全開にできる作りで、宿では「半露天」と呼んでいます。体感としては、広い内風呂に近い印象です。

浴槽は3人で入れるくらいの大きさで、洗い場にも余裕があったので、二人がかりで抱っこしながらでも十分でした。不安だったお風呂は、想定外の当たりでした。

ひとつ気づいたことがあります。今回の部屋は、風呂場がベッドルームの続きにありました。陶器の露天がついた部屋も同じような配置だとしたら、子どもを寝かせたあとに、その奥へ入っていくことになります。物音を立てないよう気を使いながら湯に浸かるのは、あまり休まらない気がします。

予約するときは、値段と写真しか見ていませんでした。部屋のどこに何があるかという視点は、正直まったく持っていなかったので、いい勉強になりました。

大浴場にも入りました。海の見える露天風呂で、時間で男女が入れ替わります。赤ちゃんを見ている側が部屋に残るので、交代で行くことになります。

夕食と朝食

夕食は部屋で、朝食は会場で食べる宿です。

宿を選ぶとき、部屋で夕食が食べられることを条件にしました。まだ、外で食べることに慣れていなかったからです。

結果から言うと、ここがいちばん効きました。

畳にネムリラを置いて、同じ空間で食事をする。それだけのことですが、泣いても誰にも気を使わなくていい。中断して抱っこして、また戻って食べられる。さきほど書いた「まわりの目」が、ここで丸ごとなくなります。

料理は、創作会席の「香陽御膳」でした。先付から鍋、釜飯、デザートまで、一品ずつ運ばれてきます。献立は月ごとに変わるそうです。開始時間は、確か18時から19時半のあいだで、30分刻みで選べました。

量はほどよくて、女性にはやや多く、男性には少し足りないくらい。運んでくるペースをこちらに合わせてくれるので、抱っこで中断しても急かされません。正直、抱っこしながらだったので、料理の細かいところは覚えていません。ただ、満足したことは覚えています。

朝食は会場でした。赤ちゃん連れだと会場と聞くだけで身構えるのですが、ここは思ったより楽でした。

席に着くと、もう料理が並んでいました。自分で取りに行くのはドリンクだけ。並ばなくていいというのは、赤ちゃんを抱えていると、かなり違います。ベビー用の椅子も出してもらえました。

時間は7時、7時半、8時半から選ぶ形で、チェックインのときに聞かれます。人数もそれほど多くありません。席の間隔が広く、隣を気にせずに済みました。

気になったこと

良かったところは、ここまでに書いたとおりです。ひとつだけ、気になったことも。

妻は、あまり眠れなかったそうです。

海沿いの宿なので、地震のことが気になったと言っていました。宿が悪いという話ではまったくなくて、相性の問題だと思います。ただ、同じことが気になる人はいると思うので、書いておきます。

予約の前に

予約の前に知っておくといいことが、5つあります。

1. 施設使用料
食事も寝具も要らない子どもでも、0歳から2,200円かかります。ただし、ウェルカムベビープランなら添い寝の子どもは無料です。プランで変わるので、予約のときに確認しておくと安心です。

2. 宿泊税
鳥羽市では2026年4月から、1人1泊200円がかかるようになりました。ほかに入湯税が大人1人150円。どちらも宿で支払います。額は小さいのですが、予約サイトの金額には含まれていません。

3. レイトチェックアウト
通常は10時ですが、大人ひとり2,200円で12時まで延ばせます。幼児は無料で、布団も敷いたままにしておいてもらえます。赤ちゃん連れだと、朝の2時間の差はかなり大きいです。次に泊まるなら、これは最初から付けると思います。

4. 周りにコンビニがない
子どもに合わせて動いていると、寝かしつけが終わったあとに、ようやく自分たちの時間になります。館内の売店は21時まで、軽食が頼める呑み処は22時までです。それより遅くなると、小腹がすいたり、のどが渇いたりしても、買いに行く場所がありません。飲み物やちょっとしたものは、着く前に買っておいたほうがいいと思います。夕食で残った釜飯は、頼めば夜食用におにぎりにしてもらえるので、それも手です。

5. 食物アレルギーの対応はない
宿として、アレルギー除去食の対応はしていません。アレルギーのある人には食事を出せない、という方針です。上の子にアレルギーがある家庭は、予約の前に確認したほうがいいと思います。

※料金やサービスの内容は変わることがあります。予約の前に、最新の情報を確認してください。

どんな家族に向くか

私たちが泊まったのは、娘の首がすわる直前の頃でした。

まだ動き回らない時期だったので、畳に寝かせておけるというのがちょうど良かったと思います。逆に、動き回るようになってからだと、気になるところは変わってくるかもしれません。

また、まわりの目が気になって踏み出せない人ほど、部屋食の宿から始めるのがおすすめかなと思いました。

総じて、今回の旅行は良かったです。値段は張りますが、部屋で夕食が食べられて、洗面台が広くて、朝食で並ばなくていい。そのひとつひとつが「気を使わなくていい」に変わっていくので、私たちには見合っていたなと思いました。

赤ちゃんを連れての最初の旅行として、不安も不満もなく過ごせた。それがいちばんの収穫だったと思います。

伊勢神宮のお膝元 鳥羽 胡蝶蘭

三重県鳥羽市。鳥羽駅から送迎で5分ほど。夕食は部屋食が基本の宿です。
プランや料金は時期によって変わるので、最新の情報は予約サイトで確認してください。

▶ 空室と料金を見る(公式サイト)

次はどこに泊まろうか、と話しています。
今日も村のすみっこから、書いていきます。

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